すぐ使える!pubmed 検索式の作り方と検索方法のコツ【臨床家向け】【コピペ可】

この記事では臨床家(内科医・研修医・薬剤師ほかコメディカル)におすすめな pubmed「検索式」の作り方と,その具体例をまとめます。

pubmed検索の基本レシピ

臨床家必須スキル:pubmed 検索式

pubmed 検索式とは,たとえば以下のようなものです(▼)。

"Covid-19/therapy"[Majr] AND ("randomized controlled trial"[pt] OR "systematic review"[Filter]) AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta])
上記の検索式は, COVID-19 の治療に関連したランダム化比較試験 RCT,システマティックレビュー SR を臨床系の一流雑誌に限定して検索するような一例です。

pubmed にはこのように予め指定した「検索式」に基づいてヒットした最新論文を自動配信させる(RSS or メール)システムが搭載されています。

この機能を駆使すれば,興味のある分野の特定の雑誌の最新のネタだけを自動的に手元に持ってこさせることができます。いわゆる「抄読会」のネタ探しも爆速です。

医療職必須ハックと言っても過言ではない超重要テクですが,意外と知名度が低いのか,みんな自分の秘伝レシピを公開したくないのか……あまり若手のうちに教えてもらえない印象があります。

忙しい臨床家のために

また,検索式の話を聞いたことがある人も,忙しい医療現場にいるとなかなか行動に移せないものです。

検索式を作るための「最初の数分」を乗り越えられず「面倒くさ…」と躓いてしまうのもよくわかります(自分がそうでした😅)。

そこで,最初のハードルを極限まで下げるため,この記事では とりあえずこの検索式をベースにしておけばOK という具体例も含め惜しみなく全公開してしまいたいと思います。

本日のテーマ
  1. そもそも検索式とは何か
  2. 検索式の基本レシピ 〜(A) AND (B) AND (C)〜
  3. これでOK?具体例!

せっかちな人は最後の「具体例」だけ見てコピペして適宜編集のうえ使ってください(笑)。

pubmed検索の基本ルール

本題に入る前に,まず検索式の基本ルールを整理しておきましょう。とはいえ特に構える必要もなく,非常に簡単で直感的です(▼)。

pubmed 検索式の基本ルール
  • 単純に( )で閉じたものを左から右に処理していく
  • ( )同士の接続は AND,OR ,NOT しかない

たとえば

(“A” OR “B” OR “C”) AND (“D” OR “E”) NOT “F”

とすれば

『AかBかC』を含み,『DかE』も含み,Fでないもの

といった検索が可能です。

そして臨床家の皆様にぜひオススメしたいのは,

(検索ワード: A)AND(研究の種類: B)AND(ジャーナル: C)

という検索式を鋳型とすることです(▼)。

pubmed検索の基本レシピ

この黄金法則さえ押さえてしまえば,どんな検索式も思うがままに作成できます。

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簡単!検索式の作り方(基本レシピ)

ではここから実際に

(検索ワード: A)AND(研究の種類: B)AND(ジャーナル: C)

の黄金法則に従い,A・B・C それぞれの入力内容について見ていきましょう。

A:検索したいワードを入力

まずは「検索したいワード (A) 」を決めます。

たとえば「心不全のレビューが読みたいなあ」と思ったら,素直に “heart failure” と入力します。ここでの注意点は以下の 3 つです。

  1. 連続する語をダブルクォーテーションできちんと囲むこと
  2. 語句の隣に属性を限定するタグをつけること
  3. 特に [Title] や [Majr],[tiab] タグを利用すること

① ダブルクォーテーションで囲む

もし検索バーに “heart failure” ではなく単に heart failure と入力してしまった場合,heart と failure は個別でも構わないという解釈になってしまいます。

要するに「”heart” AND “failure”」に読み替えられてしまうわけです。これは問題なので,連続する語句は必ずダブルクォーテーションで囲みましょう。

② 語句の隣に属性指定のタグをつけること

また,検索単語の横には属性指定のタグを [このカッコ] で囲んで添えることが重要です。

pubmed の仕様では,検索ワードを「単にそのまま入力」した場合,

  • 同義語も自動的に検索ワードに含まれる
  • Title 以外のどこにその単語が含まれていてもヒットする

ということになっています。

たとえば単に「heart failure review」と入力して検索したときの検索式は,自動的に以下のようになります。

("heart failure"[MeSH Terms] OR ("heart"[All Fields] AND "failure"[All Fields]) OR "heart failure"[All Fields]) AND ("review"[Publication Type] OR "review literature as topic"[MeSH Terms] OR "review"[All Fields])

この [All Fields] というのがクセモノで,その論文の中のどこにその文字列があってもヒットさせてしまうということです。網羅性高くカバーしてくれるデフォルト設定ではありますが,余分な論文まで拾ってしまう可能性があります。

そこで,各単語の横に [  ] タグで属性を付記していくのがコツになります。

③ 特に [Title] [tiab] [Majr] が便利!

具体的には,以下のような工夫をします(▼)。

  1. “heart failure”[Title]:タイトルに heart failure と連続で含む論文に限定
  2. “heart failure”[tiab]:タイトルまたは抄録に 〜同上
  3. “heart failure”[Majr]:論文の中心的主題が heart failure である論文に限定
  4. “heart failure/therapy”[Majr]:②の中でも治療に関連したものに限定

[Title]タグはそのまんま,説明不要ですね。[tiab]タグは,タイトルとアブストのどちらかにその検索語句を含むものを拾ってくるものです。

[Majr]タグは,その MeSH(*) 単語が「中心的主題」としてタグ付けされている論文だけをヒットさせるタグです。Title に含まれなくてもその単語がメインテーマの論文がしっかりヒットするので,使い勝手のよいタグです。

注意点として[Majr]は MeSH に指定されていない単語に対して使用できません。たとえば “cancer”[Majr] では検索が機能しません(一件もヒットしない)。「がん」の MeSH term は neoplasms なので,”neoplasms”[Majr] とする必要があります。

(*) MeSH:
Medical Subject Headings(医学主題見出し)の略語。様々な医学用語を統一して上位語・下位語を整理した統制語辞書のことで,NLM(米国国立医学図書館)が作成し定期的に update しています。たとえば「癌」を調べたい時,cancer,neoplasm,tumor 全てを個別に検索するのは合理的ではないため,MeSH としては neoplasms が指定されています。どの単語が MeSH に指定されているかは,Pubmed から リンクされている MeSHデータベース で検索するとわかります。

B:研究の形式を指定する

次に,研究の形式(B)を指定しましょう(▼)。

pubmed検索の基本レシピ

とは言え,この部分はさほどパターンがありません。

  • レビューに限定する
  • RCT に限定する
  • 第 III〜IV 相試験に限定する
  • システマティックレビューに限定する

といった具体例について,以下列記していきます。

なお,完成した A の部分は( )で囲み,AND で「研究の種類(B)」につなげていきます。
† 総説・レビュー論文を探したいとき
AND “review”[pt]
※ [pt] タグは [Publication type] タグの略式です。
† ランダム化比較試験(RCT)に限定
AND "randomized controlled trial"[pt]
† 第 III 相 〜 第 IV 相試験に限定
AND (clinicaltrialphaseiii[Filter] OR clinicaltrialphaseiv[Filter])
† システマティックレビュー(SR)に限定
AND "systematic review"[Filter]
† RCT & SR に限定
AND ("randomized controlled trial"[pt] OR "systematic review"[Filter])
  • 後述のジャーナル指定(C)で一流雑誌と組み合わせることで,インパクトの大きい RCT と SR を効率的に拾い上げることが可能です。
† RCT & SR & コホートに限定
AND ("randomized controlled trial"[pt] OR "systematic review"[Filter] OR "Cohort"[All Fields])
NOT “retrospective”
  • 「治療」や「予防」の最新のエビデンスを updateしたい,という時に有効な組み合わせです。
  • NOT “retrospective” と付記することで後ろ向きコホートを除外できます。
† case report に限定
AND ("case reports"[pt] OR "case report"[All Fields] OR "case series"[All Fields])
  • 稀な疾患を経験した際,その疾患の臨床経過の既報を探す時などに有用。また,自分が症例報告をする際にも既報の確認は必須。
  • 注意点として,後述する主要ジャーナルに限定した検索を行わないこと(∵ case report は主要ジャーナルには投稿され難い)

C:ジャーナルを指定する

最後に,ジャーナル指定部分(C)を作成します(▼)。

pubmed検索の基本レシピ

[Journal]ないし[ta]タグ指定をすることで,検索対象とするジャーナルを限定していきます。

具体例として,内科系で需要のありそうなセットを予めこちらで用意させていただきました(親切!)。

以下,箇条書きにして列記します。

a) 臨床 4 大誌 & コクランレビュー

AND ("JAMA"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta])
  • NEJM,JAMA,Lancet,BMJ の鉄板四大誌にコクランレビューを加えたものです。
  • 大規模 RCT など,のちのちガイドラインで参照されるようなインパクトの大きい研究は概ねカバーできます。

b) 内科系基本セット

AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta])
  • (a) のセットに加え JAMA internal medicine,Annals of internal medicine,CMAJ,Nature reviews シリーズを加えています。
  • BMC,PLOS,JAMA network open,BMJ open などもお好みで追加ください。
|アスタリスクで横断検索可
なお,Nature reviews シリーズ は レビュー記事のみ集めた大手ですが,Nature reviews ○○ という名前の雑誌がジャンル別にめちゃくちゃあるので,ここではアスタリスク(*)を使って横断検索しています(Nat Rev *)。同様に JAMA *, Lancet *,BMJ *,というような指定をすればこれらの子雑誌も全て横断検索可能です。本稿ではこれらの子雑誌は臓器別に個別指定するため,ここではあえて外しています。

+α. 各科お好み追加セット

ただ,上記の内科基本セット(b.)のみだと,臓器別のあの大事な雑誌が入ってないじゃないか!──というお声もありそうです。

そこで,臓器別の主要ジャーナルを独断で(IF を目安に)セレクトした追加セットも用意いたしました(こんな親切な人います?)。

内科系基本セット(b.)をベースにしつつ,以下の臓器別セットをコピペして OR で接続し,一塊としてカッコ(   )で閉じてご使用ください

◆ 使用例:内科基本セット+循環器領域
AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta] OR "Circulation"[ta] OR "Circulation research"[ta] OR "J Am Coll Cardiol"[ta] OR "cardiovascular research"[ta] OR "Eur Heart J"[ta] OR "JAMA cardiol"[ta] OR "Heart"[ta]) ※下線部が循環器領域の追加分
i)循環器領域セット
OR "Circulation"[ta] OR "Circulation research"[ta] OR "J Am Coll Cardiol"[ta] OR "cardiovascular research"[ta] OR "Eur Heart J"[ta] OR "JAMA cardiol"[ta] OR "Heart"[ta]
  • Circulation,Circulation research,JACC,JAMA cardiology,Cardiovascular Reseach,European Heart Journal,Heart の 7 誌です。
  • 適宜増減しつつ,後述する集中治療領域もお好みで組み合わせて下さい。
ii)消化器領域セット
OR "Gut"[ta] OR "J Hepatol"[ta] OR "Gastroenterology"[ta] OR "Am J Gastroenterol"[ta] OR "Clin Gastroenterol Hepatol"[ta] OR "Endoscopy"[ta] OR "Lancet Gastroenterol Hepatol"[ta]
  • Gut,Gastroenterology,Journal of Hepatology,American Journal of Gastroenterology,Clinical Gastroenterology and Hepatology,Endoscopy,The Lancet Gastroenterology and Hepatology の 7 誌です。
  • 消化器内科全般に広げるには,後述する腫瘍領域もお好みで組み合わせて下さい。
iii)呼吸器領域セット
OR "Chest"[ta] OR "Thorax"[ta] OR "Eur Respir J"[ta] OR "Lancet Respir Med"[ta] OR "J Thorac Oncol"[ta] OR "Am J Respir Cell Mol Biol"[ta]
  • Chest,Thorax,The European respiratory journal,The Lancet Respiratory Medicine,Journal of Thoracic Oncology,American journal of respiratory cell and molecular biology の 6誌です。
  • 呼吸器内科全般に広げるには,後述する感染症・腫瘍・集中治療領域と組みわせてご使用下さい。AJRCCMは後述する集中治療に分類しています。
iv)腎臓・リウマチ・膠原病セット
OR "Arthritis Rheumatol"[ta] OR "Ann Rheum Dis"[ta] OR "The Lancet Rheumatology"[ta] OR "J Am Soc Nephrol"[ta] OR "Kidney Int"[ta] OR "Am J Kidney Dis"[ta]
  • Arthritis & Rheumatology(A&R),Annals of the Rheumatic Diseases,Lancet Rheumatology,Jounal of the American Society of Nephrology(JASN),Kidney International(KI),American Journal of Kindey Diseases(AJKD)の 6 誌です。
  • オーバーラップの関係でまとめてしまいましたが,地域によっては棲み分けが明確かもしれません。適宜編集してください。
v)脳神経領域セット
OR "JAMA neurol"[ta] OR "lancet neurol"[ta] OR "Neurology"[ta] OR "Stroke"[ta] OR "J Neurol Neurosurg Psychiatry"[ta]
  • JAMA neurology,Lancet neurology,Neurology,Stroke,JNNP(Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry)の 5 誌です。適宜増減下さい。
vi)血液疾患領域セット
OR "Blood"[ta] OR "Leukemia"[ta] OR "The Lancet Haematology"[ta]
  • Blood,Leukemia,Lancet Haematology の 3誌です。適宜増減下さい。
  • 血液疾患以外の腫瘍領域セットは後述。
vii)内分泌・糖尿病領域セット
OR "Diabetes Care"[ta] OR "Lancet Diabetes Endocrinol"[ta] OR "J Clin Endocrinol Metab"[ta] OR "Endocrine Reviews"[ta] OR "Diabetes"[ta]
  • Diabetes Care,The Lancet Diabetes and Endocrinology,Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism(JCEM),Endocrine Reviews,Diabetes,の 5 誌。適宜増減下さい。
viii)感染症領域セット
OR "Lancet Infect Dis"[ta] OR "Clin Infect Dis"[ta] OR "Emerg Infect Dis"[ta] OR "J Infect Dis"[ta]
  • The Lancet Infectious Diseases,Clinical Infectious Diseases(CID),Emerging infectious diseases,Journal of Infectious Diseases(JID)の 4誌。適宜調整下さい。
ix)集中治療セット
OR "Am J Respir Crit Care Med"[ta] OR "Intensive Care Med"[ta] OR "Crit Care Med"[ta] OR "Crit Care"[ta] OR "Ann Intensive Care"[ta]
  • AJRCCM,Intensive Care Medicine,Critical care medicine,Critical Care,Annals of Intensive Care の 5 誌。
  • 上述の循環器・呼吸器領域と重複しないようにしています。適宜組み合わせて下さい。
x)腫瘍領域セット
OR "CA Cancer J Clin"[ta] OR "Lancet Oncol"[ta] OR "J Clin Oncol"[ta] OR "JAMA Oncol"[ta] OR "Ann Oncol"[ta] OR "J Natl Cancer Inst"[ta] OR "Clin Cancer Res"[ta] OR "J Immunother Cancer"[ta]
  • CA(A Cancer Journal For Clinicians),Lancet Oncology,JCO(Journal of Clinical Oncology),JAMA Oncology ,Annals of Oncology,Journal of the National Cancer Institute,Clinical Cancer Research,Journal for Immunotherapy of Cancer の 8 誌です。適宜増減下さい。血液腫瘍は別途上述。

|今は亡き core clinical journals
なお,以前はこのような組み合わせを自分で作成しなくとも “core clinical journals”[sb] というコマンドで有名雑誌だけに絞った検索が可能だったのですが,2020年以降は使えなくなっています。

D:オマケ

最後に,オマケです。

必須ではありませんが,期間指定や年齢指定を行う検索式も一応共有しておきます。

期間指定

直近1年に限定
AND (y_1[Filter])
直近5年に限定
AND (y_5[Filter])
フィルターで調整可能
なお,これらは検索式に加えていなくても検索後からフィルター機能で調整可能です(▼)。

年齢も指定可能

乳幼児(生後〜23ヶ月)に限定
AND (allinfant[Filter])
小児科症例(生後〜18歳)に限定
AND (allchild[Filter])
65 歳以上に限定
AND (aged[Filter])
80 歳以上に限定
AND (80andover[Filter])

アブストラクトが読める論文に限定


AND (fha[Filter])
  • 後述する RSS 配信で受け取る場合などに追加します。アブストが読めない論文が RSS で配信されてきても,タイトルしか分からず,アラートを受け取る意義に欠けるためです。

具体例

以上を踏まえ,

(検索ワード: A)AND(研究の種類: B)AND(ジャーナル: C)

という形で実際に検索する例を提示したいと思います。

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RCTを探す

抄読会のネタで,心不全に関する最近1年の RCT 良いのないかなぁ〜

RCT を探したい(直近1年)

〔A〕検索ワード ── “Heart Failure”
〔B〕研究形式 ── “randomized controlled trial”[pt]
〔C〕ジャーナル ── 内科系基本セット+循環器領域+集中治療領域
〔D〕時間指定 ── 直近1年
"Heart Failure"
AND "randomized controlled trial"[pt]
AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta] OR "Circulation"[ta] OR "Circulation research"[ta] OR "J Am Coll Cardiol"[ta] OR "cardiovascular research"[ta] OR "Eur Heart J"[ta] OR "JAMA cardiol"[ta] OR "Heart"[ta] OR "Am J Respir Crit Care Med"[ta] OR "Intensive Care Med"[ta] OR "Crit Care Med"[ta] OR "Crit Care"[ta] OR "Ann Intensive Care"[ta])
AND (y_1[Filter])

→ だいたい 80本/年(2021年末検索時点)。

  • ただしこの検索文だと,主題でなくても “Heart Failure” が含まれる論文が全てヒットしてしまいます。
  • 厳格に「主題が心不全」というものに限定したい場合,冒頭部分を “Heart Failure”[Majr] とします。そうすると,大体 40 本/年(2021年末検索時点)となります。
なおここで “Cardiac Failure”[Majr] や “Heart Decompensation”[Majr] としても機能しません。これらは “Heart Failure” と同義語ですが,MeSH term ではないからです。Majr タグを使うときは,必ず MeSH term かどうかを MeSHデータベース で確認しましょう。

第 III 相・第 IV 相試験(直近1年)に限定

また,単に RCT というだけでなく,新薬承認などに関わる厳格な臨床試験(いわゆる第 III 相試験・第 IV 相試験)に限定したい場合,以下のような検索式も有用です。

〔A〕検索ワード ── “Heart Failure”
〔B〕研究形式 ── (clinicaltrialphaseiii[Filter] OR clinicaltrialphaseiv[Filter])
〔C〕ジャーナル ── 内科系基本セット+循環器領域+集中治療領域
〔D〕時間指定 ── 直近1年
"Heart Failure"
AND (clinicaltrialphaseiii[Filter] OR clinicaltrialphaseiv[Filter])
AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta] OR "Circulation"[ta] OR "Circulation research"[ta] OR "J Am Coll Cardiol"[ta] OR "cardiovascular research"[ta] OR "Eur Heart J"[ta] OR "JAMA cardiol"[ta] OR "Heart"[ta] OR "Am J Respir Crit Care Med"[ta] OR "Intensive Care Med"[ta] OR "Crit Care Med"[ta] OR "Crit Care"[ta] OR "Ann Intensive Care"[ta])
AND (y_1[Filter])

→ だいたい 10〜12 本/年(2021年末検索時点)。

SR を探す

検索範囲を RCT 全般にするとちょっと多いけど,新薬の第 III 相試験ばかりに限定するのもなぁ〜……

という場合,SR を探してみるのも良いと思います。まずは SR から入って,SR に組み込まれている RCT を個別で読んでいく,という読み方もおすすめです。

〔A〕検索ワード ── “Heart Failure”
〔B〕研究形式 ── “systematic review”[Filter]
〔C〕ジャーナル ── 内科系基本セット+循環器領域+集中治療領域
〔D〕時間指定 ── 直近1年
"Heart Failure"
AND "systematic review"[Filter]
AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta] OR "Circulation"[ta] OR "Circulation research"[ta] OR "J Am Coll Cardiol"[ta] OR "cardiovascular research"[ta] OR "Eur Heart J"[ta] OR "JAMA cardiol"[ta] OR "Heart"[ta] OR "Am J Respir Crit Care Med"[ta] OR "Intensive Care Med"[ta] OR "Crit Care Med"[ta] OR "Crit Care"[ta] OR "Ann Intensive Care"[ta] )
AND (y_1[Filter])

→ だいたい 30 本/年(2021年末検索時点)。

冒頭部分を “Heart Failure”[Majr] とすると,1/4 程度に減ります。

レビュー論文を探す

個人の学習としてはレビュー論文も input に有用であり,いざ検索したい!という場面も少なくないと思います。

そこで「頭痛のレビュー」「COVID-19のレビュー」を具体例にどのような検索式を使うか考えてみます。

個人的に,抄読会のネタとしてはレビューのようなお勉強論文ではなく RCT の批判的吟味を行う形式が最もおすすめ(input にも output にもなる)と思っています。

頭痛のレビュー

頭痛に関する直近5年のレビュー記事を探したい!
〔A〕検索ワード ── headache
〔B〕研究形式 ── “review”[pt]
〔C〕ジャーナル ── 内科系基本セット+脳神経領域セット
〔D〕時間指定 ── 直近 5 年
例1:どこかに headache を含むレビュー論文
headache
AND “review”[pt]
AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta] OR "JAMA neurol"[ta] OR "lancet neurol"[ta] OR "Neurology"[ta] OR "Stroke"[ta] OR "J Neurol Neurosurg Psychiatry"[ta])
AND (y_5[Filter])

ただし,このように単に headache と入力するだけだと,そこの部分が自動的に

("headache"[MeSH Terms] OR "headache"[All Fields] OR "headaches"[All Fields] OR "headache s"[All Fields])

と読み替えられます。

“headache”[All Fields]が入ってしまうことで,主題が頭痛でないレビューもヒットしてしまいます(どこかに headache が含まれていればヒットする)。

よりテーマが合致したものに絞るためには,冒頭部分を “headache”[Title] ないし “headache”[Majr]とするのが良いでしょう。

例 2:タイトルまたは主題に headache を含むレビュー論文
("headache"[Title] OR "headache"[Majr])
AND “review”[pt]
AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta] OR "JAMA neurol"[ta] OR "lancet neurol"[ta] OR "Neurology"[ta] OR "Stroke"[ta] OR "J Neurol Neurosurg Psychiatry"[ta])
AND (y_5[Filter])

こうすれば,タイトルまたは主題に “headache” が入ったレビュー記事だけがヒットするようになります(現時点で 23本/5年)。

しかし上記の検索式だと,migraine(片頭痛)がタイトルに入ったレビューは抜けてしまいます。そこで以下のように工夫すると片頭痛関連のレビューを落としません。

例 3:タイトルか主題に headache か migraine を含むレビュー論文

("headache"[Title] OR "headache"[Majr] OR "migraine"[Title] OR "migraine disorders"[Majr])
AND “review”[pt]
AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta] OR "JAMA neurol"[ta] OR "lancet neurol"[ta] OR "Neurology"[ta] OR "Stroke"[ta] OR "J Neurol Neurosurg Psychiatry"[ta])
AND (y_5[Filter])

こうした細かい調整は手探り感がありますが,それもまた一興ですね(?)。

なお,migraine(片頭痛)は 一般用語ですが,MeSH term ではありません。MeSH データベースには “migraine disorders” として登録されています。 そのため “migraine”[Majr] では機能しません。“migraine disorders”[Majr] とする必要があります。

COVID-19のレビュー

COVID-19の治療に関するレビュー記事を探したい!
〔A〕検索ワード ── “covid-19/therapy”[Majr]
〔B〕研究形式 ── “review”[pt]
〔C〕ジャーナル ── 内科系基本セット+呼吸器領域+感染症領域+集中治療
"Covid-19/therapy"[Majr]
AND “review”[pt]
AND ("JAMA"[ta] OR "JAMA internal medicine"[ta] OR "BMJ"[ta] OR "N Engl J Med"[ta] OR "Lancet"[ta] OR "Ann Intern med"[ta] OR "CMAJ"[ta] OR "Cochrane Database Syst Rev"[ta] OR "Nat Rev *"[ta] OR "Chest"[ta] OR "Thorax"[ta] OR "Eur Respir J"[ta] OR "Lancet Respir Med"[ta] OR "Lancet Infect Dis"[ta] OR "Clin Infect Dis"[ta] OR "Emerg Infect Dis"[ta] OR "J Infect Dis"[ta] OR "Am J Respir Crit Care Med"[ta] OR "Intensive Care Med"[ta] OR "Crit Care Med"[ta] OR "Crit Care"[ta] OR "Ann Intensive Care"[ta] )

covid-19 のようなホットトピックを対象とする場合,単に “covid-19″[Majr] とするだけでは,ヒットする論文が非常に多くなってしまいます。

そこで,スラッシュ記号を使った「細分類検索」を指定するのがおすすめです。

上記のように “COVID-19/therapy”[Majr] とすれば,Covid-19 に関連したレビューの中でも「治療」に限定したものをヒットさせることができます。

|その他の細分類
細分類として臨床家が最もよく使うのは上記の therapy ではないかと思いますが,他にもblood(血液),cerebrospinal fluid(髄液),urine(尿),classification(分類),complications(合併症),diagnosis(診断),diagnostic imaging(画像診断),economics(経済),epidemiology(疫学),etiology(病態),immunology(免疫学),mortality(死亡率),pathology(病理学),physiology(生理学),prevention and control(予防),radiotherapy(放射線治療),rehabilitation(リハビリ),statistics and numerical data(統計),surgery(手術),therapy(治療),transmission(伝播),veterinary(獣医学),virology(ウイルス学)などを指定できます。

あとは自動配信にするだけ

ある程度コツが掴めたら,適当に繋げてオリジナルの定期検索式を作成し,自動配信設定まで済ませてしまいましょう。

メール配信設定の方法

メール自動配信の設定方法は非常に簡単です。

完成した検索式を pubmed の検索バーにぶち込んで検索した後,検索バーの下にある〈Create alert〉ボタンを押すだけです。

あとは表示された入力項目をテキトーに埋めるだけで,自動的にメール送信してくれるようになります(▼)。



上記の機能を使うには,ログインが必要です

RSS配信方法の設定

あるいは〈Create alert〉ボタンのすぐ横にある〈Create RSS〉を押せば,RSS フィード化して定期受信することも可能です。

こちらはログインも不要です。

ワンクリックで RSS フィードリンクが作成できるので,あとはそれを専用のリーダー(feedlyなど)で読み込むだけです。

その検索式でヒットした論文が自動的に RSS 配信される様は快感しかありません。

無敵モードの完成!

以上の機能を駆使すれば,仕事で使いうる新薬のネタなどを自動的に手元に届くような設定も可能です。

たとえば循環器内科の医師であれば,

〔A〕(”心不全/治療”[Majr] OR “心筋梗塞/治療”[Majr] OR “心房細動/治療”[Majr])
〔B〕 第 III 相試験,第 IV 相試験
〔C〕内科系基本セット+α(循環器領域+集中治療領域セット)

といった様な検索式でしょうか。

上記にて配信を自動化してしまえば,自分から論文を探しに行く時間をかなり短縮することができます。

これが,俗にいう無敵モードです。

もちろん実際にはもう少し複雑な式が必要になるかと思います😅

まとめ

今回は以上です。要するに

(検索ワード A)AND(研究形式 B)AND(ジャーナル絞り C)

という構造で検索式を組み立てることが,pubmed を使いこなすための黄金法則です。

とくに B(研究形式指定),C(ジャーナル指定)の部分はこの記事から適当にコピペして組み合わせるだけで簡単に作成できるハズです。

A(検索ワード入力)の部分では,もう少し細かい工夫の余地もありますが,日常診療での使用目的であれば,本稿で紹介した内容([Title] ないし [Majr]を使いこなすだけ)で十分でしょう。

この記事が一助となり,医学文献へのアクセスのハードルが少しでも下がれば幸甚です。 より良い論文検索ライフの第一歩としてご活用ください!

ではまた🤞

研究目的で網羅性の高い検索式を作らなければならない時などは,書籍等で学習されることをお勧めします。

参考

Pubmed本家のチュートリアルもわかりやすいのでおすすめです。
以下にリンクを載せておきます。

[おすすめ本紹介]

Users’ Guides to the Medical Literature


タイトル通り「医学論文を現場でどう応用するか?」迷える臨床家のためのユーザーズガイド。Tips 集のような構成で,どこからでもつまみ読みできます(通読向きではない)。医学論文の批判的吟味を学ぶにあたり 1 冊だけ選ぶならコレ,という極めて網羅性の高い一冊です。著者 Gordon Guyatt 氏は “EBM” という言葉を作った張本人。分厚い本ですが,気軽に持ち歩ける Kindle 版はオススメです。邦訳版もあります。

医学文献ユーザーズガイド 第3版


表紙が全然違いますが「Users’ Guides to the Medical Literature (JAMA)」の邦訳版。医学文献を批判的吟味するためのTips集としてかなりの網羅性を誇る代表的な一冊です。唯一の欠点は Kindle版がないこと(英語版はある)と,和訳が気になる部分が結構あること。2つでした。原著とセットで手に入れると最強の気分を味わえます。鈍器としても使えます

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