- 2022年5月1日
「効かないとは言えない」治療に対する医療者の向き合い方
不確実性の大きい医療行為に対する向き合い方としては,以下2つの対立意見がしばしば取り上げられます。「かもしれない止まり」なら「使うべきでない」。「効くかもしれない薬」なら「使えるべき」。この領域の治療に対し,私たち医療者はどう向き合うべきなのでしょうか。
不適切な健康情報・医学情報に惑わされないために。ヘルスリテラシー,Evidence-based health-care〈EBHC〉に関連する記事のまとめです。
不確実性の大きい医療行為に対する向き合い方としては,以下2つの対立意見がしばしば取り上げられます。「かもしれない止まり」なら「使うべきでない」。「効くかもしれない薬」なら「使えるべき」。この領域の治療に対し,私たち医療者はどう向き合うべきなのでしょうか。
「中間解析で過大評価」という現象はなぜ起きてしまうのか?モルヌピラビルの実例をもとに考えてみます。
いかに「良い薬」であっても,状況次第では毒になります。検証的 RCT をしたら「かえって害」と判明した経験的治療は少なくありません。イベルメクチンを例に,検証不十分な薬剤を承認することの危険性について考えてみます。
COVID-19 に対するイベルメクチンの適応について,プロ集団の中でどのような扱いとなっているでしょうか。バイアスの少ない情報源として,2021 年 8 月 時点で筆者が確認できたメタ解析などの〈2次情報〉や〈推奨〉を列記します。
医療・健康情報は,しばしば裏取りも十分に行われないまま無責任な情報拡散が目立ちます。イベルメクチンもその例に漏れません。この記事ではイベルメクチンを取り巻く質の低い情報発信を実例ベースで取り上げます。
健康情報・医療情報は本当に玉石混交です。混乱を招く「情報」はどこからきているのか? その問題を整理するため,各情報源を1次〜4次情報として分類してみます。
Cureus 誌に掲載されたイベルメクチン予防内服の観察研究(@インド)を吟味しました。この論文を根拠に「イベルメクチンを日本でも処方できるようにすべき」と主張することはできるでしょうか。
あらゆる研究で幾度となく主張される「有意」 significant という言葉は,そのすべてが等価というわけではありません。それが仮説「検証的」なものなのか,仮説「探索的」「提唱的」なものであるかは,必ず区別することが重要です。