- 2020年12月18日
【解説】「統計学的に有意」とは何か? 〜ランダム化比較試験 RCT を例に〜
今やどんな研究論文でも必ず目にする「統計学的に有意」significant という言葉。この概念を厳密に理解するためには,標本調査,推測統計,統計学的仮説検定,p値,その他いろいろなことを理解しなければなりません。順に解説していきます。
情報に騙されないための基本知識
今やどんな研究論文でも必ず目にする「統計学的に有意」significant という言葉。この概念を厳密に理解するためには,標本調査,推測統計,統計学的仮説検定,p値,その他いろいろなことを理解しなければなりません。順に解説していきます。
「ぶっちゃけコロナにうがいって『効く』んですか?」議論の第2段です。8月22日,おもむろに吉村大阪府知事が Twitter で紹介された「うがい液 vs 新型コロナウイルス」の in-vitro 実験論文を訳しました。このエビデンスとどう向き合うべきかについても,なるべく丁寧に解説します。
「結局うがいでコロナは防げるんですか??」例の「大阪うがい薬研究」に関して,統計学やメディアリテラシー的な観点から,なるべくわかりやすく問題を整理してみます。キーワードは,「ファクトとオピニオンの分離」です。
エキスパートオピニオンは,「人」を対象とする研究の中で,エビデンスレベルが最低ランクの立ち位置となっています。仮にも「専門家」が言っていることなのに,なぜこんなにも低い立ち位置になってしまうのでしょうか?
ランダム化比較試験は「ランダム化された」「比較対照のある」実験です。「randomized」「controlled」trial という名称通りです。本稿では RCT の定義と満たすべき要件について,簡潔にまとめます。
世界は今「RCTの結果を基にする」という考え方で動きはじめています。医学,広告,政策決定すらも。今や RCT は,あらゆる現代人にとって必須の教養になりつつあります。
エビデンスとは,科学的根拠のことです。複数人で再現性があり,因果関係を検証されているかどうかが,エビデンスを考える上で重要なことです。生理/化学的メカニズムはエビデンスではありません。