- 2023年1月1日
2022年のコロナ内服薬を振り返る
2022年末,今年1年のCOVID-19経口内服薬エビデンス変遷について,備忘録的にまとめました。ラゲブリオ,パキロビッド,ゾコーバについてのお話です。
なるべく平易なことばでの記述を心がけていますが,どちらかというと医療関係者の方向けです。時事ネタも多いです。
2022年末,今年1年のCOVID-19経口内服薬エビデンス変遷について,備忘録的にまとめました。ラゲブリオ,パキロビッド,ゾコーバについてのお話です。
イスラエルで行われた若年健康医療従事者を含む対象への4回接種 vs 3回接種を比較したコホート研究を読んだので,その感想文です。
初の国産新型コロナ治療薬として期待されていたゾコーバ(エンシトレルビル)の「緊急承認」は見送られました。その公開治験データを読みながら,見送りの理由をまとめます。
不確実性の大きい医療行為に対する向き合い方としては,以下2つの対立意見がしばしば取り上げられます。「かもしれない止まり」なら「使うべきでない」。「効くかもしれない薬」なら「使えるべき」。この領域の治療に対し,私たち医療者はどう向き合うべきなのでしょうか。
JAMA internal medicine に掲載されたイベルメクチンの非盲検 RCTをざっくり読みましたので所感をまとめました。
世界初の経口内服 COVID-19 治療薬として期待されるモルヌピラビルについて,現時点でわかっている「効果」と「リスク」についてまとめます。なお治験データはまだ論文化されていないため,主に FDA 審議資料を情報源としました。
「中間解析で過大評価」という現象はなぜ起きてしまうのか?モルヌピラビルの実例をもとに考えてみます。
いかに「良い薬」であっても,状況次第では毒になります。検証的 RCT をしたら「かえって害」と判明した経験的治療は少なくありません。イベルメクチンを例に,検証不十分な薬剤を承認することの危険性について考えてみます。