告知です!
地域医療ジャーナルに寄稿
地域医療ジャーナルの 1 月号に寄稿させていただきました。
note版もご用意いただいています(▼)。
地域医療ジャーナル 2022年1月号 vol.8(1) 記者:kei_e-cats 医師 今回も前回の記事に引き…
今回のテーマ
今回取り扱ったテーマは,前回に引き続き
アデュカヌマブはどの程度効くのか?
です。
前回の記事でアデュカヌマブの第 III 相試験の実データについては相当詳しく掘り下げましたが,今回はその延長です。
という手法が抱える問題点に絞って私見を述べました。
日本では承認見送りに
なお,上記記事にて米国 FDA の「迅速承認制度」が抱える種々の問題について書き散らした後ですが,アデュカヌマブは日本での迅速承認が見送りとなりました(2021年12月末発表)。
本邦の薬事承認は国産品に甘いきらいがあるので,もしかしたら本邦でも〈特例承認〉や〈条件付き早期承認〉制度を使った薬事承認がされてしまうのではないかと思っていましたが,さすがに冷静な審査がされたようです。
先だって欧州医薬品庁(EMA)が販売承認「すべきでない」と見解を公表していたのが効いたのでしょうか。
先走りすぎた FDA(米国)と「非承認の推奨」を明言した EMA(欧州) の中道で「結論先送り」というのがいかにも日本らしい感じですが……😅
もう少しデータが集まったら再審議となるようですが,米国での 第 IV 相を待つのか,国内第 III 相でもやるのか,今後の動向が気になるところです。
次回は「一般化可能性」の問題など
地域医療ジャーナルへの寄稿は,あともう1回だけ,このアデュカヌマブのデータを教材にしたいと思っています。
次回は
- 「一般化可能性(外的妥当性)」の問題
- risk/benefit,cost/benefit の問題
などについてまとめ,計 3 記事で完結とするつもりです。
次回の寄稿時もまたお付き合い頂けたら幸いです。