- 2021年6月6日
【解説】診断研究における情報バイアスと検証バイアス
検査や所見の〈感度・特異度〉は,コンセンサスのあるリファレンス・スタンダードに照らし合わせて算出されたものです。しかしその「照らし合わせ」の過程でバイアスが入り込む余地がなかったかの確認は必須です。そうでなければ,不当に高い感度・特異度を鵜呑みにしてしまうことになるかもしれません。
検査や所見の〈感度・特異度〉は,コンセンサスのあるリファレンス・スタンダードに照らし合わせて算出されたものです。しかしその「照らし合わせ」の過程でバイアスが入り込む余地がなかったかの確認は必須です。そうでなければ,不当に高い感度・特異度を鵜呑みにしてしまうことになるかもしれません。
感度・特異度は,それが「どのようなリファレンスに対するもの」で「どのような患者集団を対象にしたもの」なのかによって,大きく変動します。
医学論文を批判的吟味するために必要な知識をひたすら箇条書きにした記事です。今後の記事作成のロードマップにするつもりです。
ランダム化比較試験 RCT の結果を批判的に吟味するとき,非常に重要な考え方の1つは「サンプルサイズは必要十分か?」です。サンプルサイズは小さすぎても大きすぎても問題です。その問題について解説します。
パワー分析とは〈統計学的に有意な差〉を示すために必要十分なサンプルサイズを予め計算しておくことです。ランダム化比較試験のデザインに関わる重要な知識である検出力(power)とサンプルサイズについてまとめます。
信頼性の高いエビデンスとされる RCT ですが,限界を知らずに結果を鵜呑みしてしまうと危険です。特に大きな問題となりやすい5つの限界についてまとめます。
エビデンスの王様とされるランダム化比較試験 RCT の特長をまとめます。ポイントは「バイアスのリスクが低い」「交絡因子の影響を受けにくい」ということです。
軽症例の COVID-19 症例を対象にイベルメクチンの効果をみた,コロンビアの 400 人規模の 二重盲検 RCT を吟味しました。批判的吟味を系統的に行う「チェックリスト」を用いて実際に吟味していきます。
軽症例の COVID-19 症例を対象にイベルメクチンの効果をみた,コロンビアの 400 人規模の 二重盲検 RCT を吟味しました。軽症・低リスク・若年症例に対するイベルメクチンの服用は,明らかな benefit が示されませんでした。
本邦の3つの迅速承認制度 ─〈特例承認〉〈先駆け審査指定制度〉〈条件付き早期承認制度〉─ と,米国の〈緊急使用許可〉EUA についてまとめました。審査期間を短縮することは,非常に大きなリスクを背負うことでもあり,制度の運用には慎重性が強く求められます。