批判的吟味のために
あふれるエビデンスを鵜呑みすることなく適切に解釈するためには,多くの前提知識が必要です。ここでは,論文の批判的吟味 critical appraisal をおこなうための前提知識について扱った記事をまとめています。
- 2021年8月24日
【解説】仮説探索と仮説検証|検証的試験とは?
あらゆる研究で幾度となく主張される「有意」 significant という言葉は,そのすべてが等価というわけではありません。それが仮説「検証的」なものなのか,仮説「探索的」「提唱的」なものであるかは,必ず区別することが重要です。
- 2021年4月23日
医学論文の批判的吟味をするため身につけるべき基本知識 45
医学論文を批判的吟味するために必要な知識をひたすら箇条書きにした記事です。今後の記事作成のロードマップにするつもりです。
- 2021年4月6日
【解説】サンプルサイズ (n) の重要性|ランダム化比較試験 RCT
ランダム化比較試験 RCT の結果を批判的に吟味するとき,非常に重要な考え方の1つは「サンプルサイズは必要十分か?」です。サンプルサイズは小さすぎても大きすぎても問題です。その問題について解説します。
- 2021年3月28日
【解説】サンプルサイズと検出力|Power Analysis(検出力分析)とは?
パワー分析とは〈統計学的に有意な差〉を示すために必要十分なサンプルサイズを予め計算しておくことです。ランダム化比較試験のデザインに関わる重要な知識である検出力(power)とサンプルサイズについてまとめます。
- 2021年3月21日
【注意】ランダム化比較試験 RCT に必ずついてまわる5つの「限界」
信頼性の高いエビデンスとされる RCT ですが,限界を知らずに結果を鵜呑みしてしまうと危険です。特に大きな問題となりやすい5つの限界についてまとめます。
- 2021年3月15日
【解説】ランダム化比較試験 RCT 3つの長所
エビデンスの王様とされるランダム化比較試験 RCT の特長をまとめます。ポイントは「バイアスのリスクが低い」「交絡因子の影響を受けにくい」ということです。
- 2020年12月31日
【解説】αエラーとβエラー;第一種過誤と第二種過誤とは
αエラーは「本当はない」差を「ある」と言ってしまう間違い。βエラーは「本当はある」差を「ない」と言ってしまう間違いです。いずれも推測統計では確率的に起きてしまいます。研究者は慣例的に「許容できる線引き」を決めており,多くの研究で前者は 5 %,後者は 20 %までが許容範囲とされます。
- 2020年12月28日
【解説】有意水準が 5%の理由とその「感覚」
「コインを 5 回連続で投げた時,5 回連続でオモテまたはウラが続いた」…このとき私たちはイカサマを疑うでしょうか。「ある2つの野球チームが 15 回連続で試合をした時,戦績は10勝5敗だった」…このとき,両チームの実力に差があると言えるでしょうか。実際に確率を計算し,有意水準 5 %で判断してみます。
- 2020年12月18日
【解説】「統計学的に有意」とは何か?|P値の意味とその限界
今やどんな研究論文でも必ず目にする「統計学的に有意」significant という言葉。この概念を厳密に理解するためには,標本調査,推測統計,統計学的仮説検定,p値,その他いろいろなことを理解しなければなりません。順に解説していきます。