- 2021年5月17日
【解説】感度・特異度・的中率とは?|事前確率の重要性
感度・特異度は誤解の多い概念です。感度や特異度というものは「すでに診断がついている」ものを「どれだけ正確に拾い上げられたか」という指標に過ぎません。しかし現場で重要なのは「検査が陽性のとき本当に病気である確率」の方であり,順序が逆になっています。
感度・特異度は誤解の多い概念です。感度や特異度というものは「すでに診断がついている」ものを「どれだけ正確に拾い上げられたか」という指標に過ぎません。しかし現場で重要なのは「検査が陽性のとき本当に病気である確率」の方であり,順序が逆になっています。
信頼性の高いエビデンスとされる RCT ですが,限界を知らずに結果を鵜呑みしてしまうと危険です。特に大きな問題となりやすい5つの限界についてまとめます。
エビデンスの王様とされるランダム化比較試験 RCT の特長をまとめます。ポイントは「バイアスのリスクが低い」「交絡因子の影響を受けにくい」ということです。
軽症例の COVID-19 症例を対象にイベルメクチンの効果をみた,コロンビアの 400 人規模の 二重盲検 RCT を吟味しました。軽症・低リスク・若年症例に対するイベルメクチンの服用は,明らかな benefit が示されませんでした。
本邦の3つの迅速承認制度 ─〈特例承認〉〈先駆け審査指定制度〉〈条件付き早期承認制度〉─ と,米国の〈緊急使用許可〉EUA についてまとめました。審査期間を短縮することは,非常に大きなリスクを背負うことでもあり,制度の運用には慎重性が強く求められます。
COVID-19 への効果が期待されるイベルメクチンですが,早期からその有効性を必要以上に喧伝する風潮が目立ちます。今回は ivmmeta.com というウェブサイトで行われている「極めて危険なメタ解析」を題材に,メタ解析の読み方について勉強したいと思います。
αエラーは「本当はない」差を「ある」と言ってしまう間違い。βエラーは「本当はある」差を「ない」と言ってしまう間違いです。いずれも推測統計では確率的に起きてしまいます。研究者は慣例的に「許容できる線引き」を決めており,多くの研究で前者は 5 %,後者は 20 %までが許容範囲とされます。
「コインを 5 回連続で投げた時,5 回連続でオモテまたはウラが続いた」…このとき私たちはイカサマを疑うでしょうか。「ある2つの野球チームが 15 回連続で試合をした時,戦績は10勝5敗だった」…このとき,両チームの実力に差があると言えるでしょうか。実際に確率を計算し,有意水準 5 %で判断してみます。
今やどんな研究論文でも必ず目にする「統計学的に有意」significant という言葉。この概念を厳密に理解するためには,標本調査,推測統計,統計学的仮説検定,p値,その他いろいろなことを理解しなければなりません。順に解説していきます。