- 2020年12月31日
【解説】αエラーとβエラー;第一種過誤と第二種過誤とは
αエラーは「本当はない」差を「ある」と言ってしまう間違い。βエラーは「本当はある」差を「ない」と言ってしまう間違いです。いずれも推測統計では確率的に起きてしまいます。研究者は慣例的に「許容できる線引き」を決めており,多くの研究で前者は 5 %,後者は 20 %までが許容範囲とされます。
αエラーは「本当はない」差を「ある」と言ってしまう間違い。βエラーは「本当はある」差を「ない」と言ってしまう間違いです。いずれも推測統計では確率的に起きてしまいます。研究者は慣例的に「許容できる線引き」を決めており,多くの研究で前者は 5 %,後者は 20 %までが許容範囲とされます。
「コインを 5 回連続で投げた時,5 回連続でオモテまたはウラが続いた」…このとき私たちはイカサマを疑うでしょうか。「ある2つの野球チームが 15 回連続で試合をした時,戦績は10勝5敗だった」…このとき,両チームの実力に差があると言えるでしょうか。実際に確率を計算し,有意水準 5 %で判断してみます。
今やどんな研究論文でも必ず目にする「統計学的に有意」significant という言葉。この概念を厳密に理解するためには,標本調査,推測統計,統計学的仮説検定,p値,その他いろいろなことを理解しなければなりません。順に解説していきます。
時間の無駄でしかない「謎の会合」。それらに今日から決別し,本当に意義のある抄読会を行うため,まず行うべきことは何でしょうか。そもそも抄読会の目的とは何なのでしょうか。批判的吟味の術を学ぶため,まず読むべき本は?
リスクとオッズの違いをまとめた記事です。一言で言えばリスクは〈割合〉,オッズは〈比〉。オッズ比は〈比の比〉であり,直感的な解釈は全くできないことに注意が必要です。オッズ比 ○○倍!を数字通り受け取ると,大きな誤解をしてしまいます。
80歳以上の超高齢日本人でエドキサバン15mgとプラセボを比較した多施設共同二重盲検 RCT(ELDERCARE-AF)の論文(NEJM掲載)を読みました。
エキスパートオピニオンは,「人」を対象とする研究の中で,エビデンスとしての価値が低い扱いとなっています。仮にも「専門家」が言っていることなのに,なぜこんなにも低い立ち位置になってしまうのでしょうか?
ランダム化比較試験は「ランダム化された」「比較対照のある」実験です。「randomized」「controlled」trial という名称通りです。本稿では RCT の定義と満たすべき要件について,簡潔にまとめます。
世界は今「RCTの結果を基にする」という考え方で動きはじめています。医学,広告,政策決定すらも。今や RCT は,あらゆる現代人にとって必須の教養になりつつあります。
エビデンスとは,科学的根拠のことです。複数人で再現性があり,因果関係を検証されているかどうかが,エビデンスを考える上で重要なことです。生理/化学的メカニズムはエビデンスではありません。