- 2021年7月31日
【解説】尤度比とは何か?|計算方法と使い方
臨床医学における〈尤度比〉とは何か? 実臨床でどのように使うのか?詳しく解説します。重要なポイントは,尤度比は事前オッズと事後オッズの比として解釈できるということです。
臨床医学における〈尤度比〉とは何か? 実臨床でどのように使うのか?詳しく解説します。重要なポイントは,尤度比は事前オッズと事後オッズの比として解釈できるということです。
アデュカヌマブは FDA の迅速承認を受け,「本当に効くかどうか市販後に確認」という方針になりました。しかし「効かない薬」が市中に出回ることのリスクは多大です。もし第 IV 相試験の結果「害の方が重大」というような結論になってしまった場合,その数年間の間に生じる負の影響は計り知れません。
アデュカヌマブの 2 つの第 III 相試験は,いずれも無益性解析の結果「途中撤退」となった失敗治験でした。最終的にはそれらの「後付け解析」で承認申請までこぎつけられたわけですが,他の類似薬剤は軒並み治験撤退となっています。この現状から考えるべき問題は何でしょうか。
現時点で「アルツハイマー病の治療薬」であるという証明が不十分なまま,アデュカヌマブは「アミドイドβプラーク減少薬」として FDA に迅速承認されました。この薬剤に過剰な期待を覚えてしまう前に,私たちが知っておくべき12の重大な問題点について箇条書きでまとめます。
検査や所見の〈感度・特異度〉は,コンセンサスのあるリファレンス・スタンダードに照らし合わせて算出されたものです。しかしその「照らし合わせ」の過程でバイアスが入り込む余地がなかったかの確認は必須です。そうでなければ,不当に高い感度・特異度を鵜呑みにしてしまうことになるかもしれません。
感度・特異度は,それが「どのようなリファレンスに対するもの」で「どのような患者集団を対象にしたもの」なのかによって,大きく変動します。